【F1】前哨戦でも苦戦。ホンダの日本GPはどうなるのか? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 アロンソは言う。

「何度も王座を競ってきたチーム、常に表彰台を争ってきたドライバーとしては受け入れるのがつらい状況が続いているけど、僕がこのチームに加わろうと思ったのは、この新しいプロジェクトが遅かれ早かれ必ず成功すると思ったからだ。たしかに今のパフォーマンスは当初の期待を下回っている。しかし、毎戦のように進歩して正しい方向に進んでいるし、論理的にも正しいと証明できる。だから来年に向けて大きく前進することを期待しているし、僕は自分自身が目にしているものを信じている。そこに可能性は十分にあると思っているよ」

 そうは言っても、ホンダのパワーユニットRA615Hは、まだまだ性能としてトップから大きく後れを取っている。新井総責任者もそれは認めていることで、世界屈指の難コースである鈴鹿では厳しい戦いを強いられることになりそうだ。

「鈴鹿は世界でもトップクラスのサーキットですし、我々の抱えている課題も浮き彫りになるでしょう。シンガポールでは出なかった課題が出ると思います」

 エンジン本体の出力は夏休み明けにアップデートした「バージョン3」で向上したが、ターボチャージャーとMGU-H(※)の改良は間に合わず、全開率が60%を超えるサーキットでは120kW(約160馬力)のエネルギー回生を全ラップにわたって使用できず、つまり160馬力の不利を抱えた状態で走る時間ができてしまう。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heat/排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

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