【F1】ホンダ総責任者が語る「ストレートで伸びない3つの理由」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 そんななか、新井総責任者が「ルノーよりも25馬力優っている」と語ったという報道が流れ、これが火に油を注いだ格好となった。パワーユニットが負けていないのなら、マクラーレンの車体側に不振の原因がある――ということになる。それは、マクラーレンとしては看過できない発言だった。

「成績が出ないから、その理由をどこかに押しつけようとして、ホンダ側、もっといえば私個人に押しつけているんでしょう。チームとしてはスポンサーを得て経営しているわけですから、スポンサーには『私たちは悪くないんです』って言うしかありませんから」(新井)

 そして、「ルノーには負けていない」と新井総責任者が対抗するように発言すると、マクラーレン側は最終手段に出た。それが、英国メディアを巻き込んだ土曜会見での集中砲火であり、翌日に報じられた「ホンダへの新井解任依頼」というニュースだ。

 新井総責任者はこれまで、どれだけホンダに責任転嫁されようとも、表立ってチームを批判することは避けてきた。しかし、「日本のファンの人たちだけには真実を知ってもらいたい」という思いから、その本心を語った。

「私に対して何か言われているだけならいいですが、ホンダ全体の大勢の社員や、周りを取り巻く大勢の人たち、応援してくれている人たちに対して相当な誤解をさせ、傷つけていると思います。それはなんとかしたい。せめて、日本の応援してくれているファンの人たち、ホンダの人たちには、日本語で真実が伝わるようにと思って、こうしてお話しさせていただきます。応援してくれている人たちにあれ(チーム側の発言)がそのまま伝わっちゃうのは申し訳ないなと思いますから」

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る