【MotoGP】ロレンソ圧勝でロッシと同点。残り7戦は予測不可能に (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  photo by YAMAHA MOTOR RACING

 今回のチェコGPでは、ロレンソのペースにこそついていけなかったが、レース前に「チャンピオンシップポイントは彼らふたりと離れているから、自分に失うモノはない。取れるリスクは取って勝負をしていく」と話していたとおり、ロッシを大きく引き離して2位表彰台を獲得した。20ポイントを獲得したマルケスは合計159点となり、ロレンソ、ロッシ両名との差は52点。「残り7戦で52点」という大差を縮めていくことの難しさを、マルケスはこんなふうに説明する。

「ひとりに対して52点差を追いつくことも難しいのに、相手はふたりだから、さらに難しいよ。ホルヘもバレンティーノも、レースではすごく速いペースだし、インディでも今回でもふたりとも表彰台に上っている。(点差を詰めるのは)すごく厳しいけど、今回のレースみたいに限界までリスクを取りながら、今後もベストを尽くすよ」

 ロレンソとロッシのチームメイト同士のチャンピオン争いは、シーズン7戦を残して再びゼロからのスタートになった。その彼らの緊迫した戦いを攪乱する「不確定要素」としてマルケスが加わることで、2015年のシーズン後半はここ数年で例を見なかったほどの、予測不可能な混沌とした状況を呈しつつある。

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