ホンダF1、ダブル入賞で手応え。「次のステップに移りたい」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ハンガリーGPを前に、F1参戦初年度のパワーユニットメーカーには使用制限枠を年間4基から5基に緩和するという決定が下り、ホンダはハンガリーに新品のコンポーネントを持ち込んできた。

夏休み明けのベルギーGPには「完全に新しいパワーユニットと言っても過言でないもの」(新井)を投入する予定のホンダだが、今回のパワーユニットは開幕からここまで信頼性目的の改良を重ねて、初期スペックの性能を引出しきった状態にまで煮詰めてきている。

 マクラーレン側には「ホンダは壊れるのを恐れるあまりコンサバ過ぎる」といった不満も募っていたようだが、それを払拭するに足るところまできたと言っていいだろう。

「パワーユニット側はセットアップをやり切って、この暑さでも何の制限も加えず、これ以上ないというくらい完璧に使い切りました。今回持ち込んだスペックはイギリスで使ったものに細かな改良を加えたものですが、ルノーよりも馬力は出ています。曲がりくねったセクター2で重要になるドライバビリティは、間違いなく我々の方が優れています。それなのに、今週のレッドブルは速いですね……」

 ルノー製パワーユニットの非力さゆえに、長らく低迷が続いているレッドブルだが、パワーの差がそのまま結果につながりにくいハンガリーでは、上位に浮上してきた。そして決勝では、優勝はフェラーリのベッテルにさらわれたものの、2台ともに表彰台に上がった。

 新井はハッキリとは口にしないが、車体性能としてマクラーレンがレッドブルに遠く及んでいないことは明らかだった。

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