C・ストーナー参戦で今年の鈴鹿8耐は世界中が大注目!

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  photo by MOBILITYLAND

 その後、ライダーとしての活動は、HRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)のテストライダーとして年に数回、ツインリンクもてぎを走行してマシンを評価する程度のものに限られていた。だが、そのような折に、現役時代からストーナーと親しくしているHRC副社長の中本修平は、鈴鹿8耐参戦を打診することもあったようだ。

 8耐参戦を呼びかけているという話の真偽について、昨年末に中本に訊ねたところ、「まあ、聞いてみるだけならタダだからね」と笑いながら、あっさりとそのウワサが真実であることを認めた。ただし、ストーナーが8耐に参戦する可能性については、「おそらく99パーセント、ないんじゃないかな。8耐はMotoGPと違って、いろんな水準の選手が一緒に走るレースだからレベル差も激しいし......」とも話していた。それだけに、3月末のストーナーの8耐参戦発表は個人的には大きな驚きだったし、それはおそらく、世界中のレース関係者やファンも同様だっただろう。

 ストーナーが8耐参戦を表明した直後に開催されたMotoGP開幕戦のパドックは、この話題でもちきりになった。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は「ケーシーはまたレースをしたくなったのかな。8耐はキツいレースだけど、まだ若いんだからきっといけるよね」と話し、自身の参戦可能性については「僕は今のところMotoGPで手一杯だから、そんなの無理ムリ。引退後ならともかく、今はありえないよ!」と上機嫌で笑って答えた。バレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)も、「ホンダ時代には8耐で勝っているけど、ヤマハで走ったことはないので、現役を引退すれば参戦を検討してみようかな」と話した。

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