【MotoGP】混戦の2015前半戦総括。
ロッシは王座を奪還できるか?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「高速で進入して速度を維持するハイスピードコーナーでは、リアがスライドする傾向がある。今回は自分のライディングスタイルとホンダに合ったコースなので、あまり悪影響は出なかったけれども、この挙動の癖を解決できればシーズン後半はさらに強力に戦うことができる」

 第9戦のレースに先立ち、マルケスはまずバイクの快適さを取り戻すこと、それを達成したうえで、次の課題はレースに勝つこと、とふたつの目標を掲げていた。これらをあっさりとクリアした現在、次の目標について彼に訊ねると「もっと勝つこと」と無邪気な笑みを見せた。

 チャンピオンシップをリードするロッシとマルケスは現在65点差が開いている。大きな差に見えても、シーズンはいまだ半分を消化したにすぎない。この点数は、状況次第では1カ月少々で埋まってしまうほどの差でしかない。それをもっともよく理解しているのはロッシでありロレンソであり、そして誰よりも、シーズン後半に怒濤の追い上げを狙っているマルケス自身であろう。

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