【MotoGP】混戦の2015前半戦総括。ロッシは王座を奪還できるか? (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「金曜の段階から、マルケスやペドロサのホンダ勢と同じレベルに達していないことがわかっていたからね。苦戦を強いられた状況下でも、頑張れたと思うよ」

 また、今回のレースに関する限り、優勝それ自体よりもチャンピオン争いの直近のライバルであるチームメイトのホルヘ・ロレンソより前でゴールすることのほうが重要だった、とも話した。レース前はロッシとロレンソのポイント差は10点だったが、ロッシ3位(16ポイント)、ロレンソ4位(13ポイント)という結果により、さらに3点の差を開くことに成功した。

「現状では(ロレンソとの)力が拮抗しているから、彼の前で終わるのはシーズン前半を有利に締めくくるためにも重要だった。シーズン後半はとても厳しい戦いになっていくだろうから、つまらないミスを犯さないように万全の走りをしなければならない」

 一方のロレンソは、シーズン序盤こそやや出遅れた感があったものの、第4戦スペインGPから第7戦カタルーニャGPまで破竹の4連勝で、あっという間にランキング首位のロッシに肉薄した。ところが、前戦のオランダGPは3位で、今回は表彰台を逃して4位。快進撃にややかげりが見えつつあるものの、それはあくまでコースとの相性で、「自分本来の能力を最大限に発揮できなかっただけ」と冷静な表情でレース後に語った。

「テニスの世界にも、クレーコートは得意だけど芝がダメな選手がいるのと同じで、今回、自分がいまひとつうまく走れなかったのは、要するにそういうことなんだと思う」

 ロッシと13点差になったことについても、8月以降の後半9戦は得意コースが控えているために、さほど意に介する風でもない。

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