【F1】ホンダ総責任者が語った「後半戦はすごい」の根拠 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「スペックは以前のものには戻っていません。パフォーマンスもきちんと出ているし、トラブルの心配もしていません。走行距離制限をしなければならないといったこともありません」(新井)

 土曜のフリー走行では、アロンソ車のERS(エネルギー回生システム)のセンサーが温度異常を示したため、走行を控える場面もあった。だが、調査の結果ただのセンサートラブルで、パワーユニット本体に何の問題もなかったことが判明。再起動して予選に臨むことができた。

 マクラーレンは、イギリスGPに2台揃って新型の空力パッケージを投入した。しかし、車体側のオイル漏れや空力仕様変更に時間を取られ、金曜は十分に走り込むことができなかった。前週にオーストリアでテストを行ないはしたが、シルバーストンの高速コーナーのセッティングは煮詰まっておらず、準備不足のまま予選を迎えてしまったのだ。それゆえの予選17位・18位という結果だった。

 パワーユニットとして最強とまでは言わないが、現状のハードウェアの性能は引き出せている。少なくともルノー勢を上回るパワーはあるのだから、「車体さえ悪くなければ、レッドブルやトロロッソと戦えてもおかしくはない」という思いが新井にはある。

「パワーユニット側のエネルギーマネジメントはほぼ完璧に仕上がっている状態です。しかし、クルマのセットアップがまったく決まらないままでの予選でしたから、パワーユニットの話をする以前の状態だったんです」

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