【F1】ホンダ総責任者が明言。「後半戦はすごいですよ」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「そのあたりはマクラーレン側とも話し合って決めました。もちろんドライバーにも理解してもらっています。正直にすべてを明かしていろんなことを共有していますし、だからこそ、彼らも気合い十分で走ってくれているんです」

 オーストリアで投入したコンポーネントには、FIAに認められた変更が施されているが、カナダGPで発生した排気系と点火プラグの問題は抜本的対策が間に合っていない。

ガレージでマシンをチェックする新井康久ホンダF1総責任者ガレージでマシンをチェックする新井康久ホンダF1総責任者「カナダでトークンを使って新しいMGU-H(※)を投入し、パワーユニットの効率を向上させた。その成果をここオーストリアで生かせるはずだったんですが、カナダで予想外のトラブルが起きてしまったから、その効果を確認できていないというのが正直なところです」(新井)
※MGU-H =Motor Generator Unit - Heat/排気ガスから熱エネルギーを回生する装置

 それでも、パワーで負けているわけではない。新井は、明言こそしなかったがルノーよりもパワーが出ていることを示唆した。

「『ホンダは非力』とボロクソに言われていますが、GPSデータなどから解析する限り、我々の出力は少なくとも4メーカー(※)の中でビリではないです」
※4メーカー=メルセデスAMG、フェラーリ、ルノー、ホンダ

 決勝で、アロンソは1周目に事故に巻き込まれてリタイアだったが、19番グリッドから14位までポジションを上げて攻めていた。彼のモチベーション低下を危惧する声もあるが、度重なるトラブルやリタイアにも「今は苦しくても、僕らには未来に向けた明確なプランがあるし、未来が見えている」とアロンソは前向きだ。

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