2015.05.07

観客動員数9万超。今、スーパーGTが盛り上がっているワケ

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

富士でのレースでは38台がエントリーしたF4 FIA-F4は若いドライバーたちが腕を競う入門用のフォーミュラカーレースで、各自動車メーカーや有力チームが育成ドライバーを送り込んでいる。レースの本場ヨーロッパでもFIA-F4は始まっており、ドイツでは今年、史上最多7度のF1世界王者に輝いたミハエル・シューマッハの16歳の息子ミックが参戦して大きな注目を集めている。

 将来のモータースポーツ界を担う若いドライバーたちがステップアップを目指してがむしゃらに戦う日本のFIA-F4もレースファンから熱い視線が注がれているが、コース上のバトルも熱くてスリリングだ。

 富士では時速230キロのスピードで1コーナーに3、4台で並んで入っていくシーンが何度もあり、観客はどよめいていたが、それ以外のコーナーでもサイド・バイ・サイド、ホイール・トゥ・ホイールの手に汗握るバトルが展開されていた。

 今、日本でプロドライバーを目指す若いドライバーたちを囲む状況は決していいとは言えない。F1で戦う日本人ドライバーはおらず、スーパーGTを除けば、国内のレース人気も低迷を続けている。それでも富士で話を聞いた3人の若き俊英たちは自分の置かれた状況を冷静に分析しながらも、大きな夢を実現させるために奮闘していた。

 富士での第3戦で優勝し、ランキング2位につける坪井翔(TOM’S SPIRIT)は、今年トヨタの支援を受けてF4に参戦している19歳だ。

「誰も世界で走っていないなら、先輩ドライバーを押しのけてでも自分が世界に出て活躍するしかないって思っています。そんな気持ちでやっています。僕はこの世界でプロとして生きていくことを決めましたので、やるしかありません。今年はF4チャンピオン取って、上のF3に乗って、F3世界一決定戦のマカオGPで活躍し、早く世界の舞台で走りたいです」