【MotoGP】36歳ロッシが完全復活。見えてきた2015年の勢力図 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「4強」の一角、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)は、開幕戦終了後に右腕の手術を実施し、第2戦以降は欠場が続いている。年間総合優勝争いから大きく出遅れてしまった格好だが、このあたりの巡り合わせの悪さや運のなさは、いつもチャンピオンに手が届きそうで届かないペドロサの〈薄幸〉を象徴している印象もある。

 それにしても、今季ここまでの戦いで特筆すべきは、36歳のロッシの完全復活である。過去2年は、現在22歳のマルケスが早熟の天才ぶりを遺憾なく見せつけて連覇し、話題の中心に踊り出た。ロッシはスーパースターの健在をアピールして世界中を喜ばせてきたが、マルケスの引き立て役のような位置にいた感は否めない。

4戦終了時点でポイントトップのロッシ4戦終了時点でポイントトップのロッシ だが今年は、ロッシがチャンピオン争いの中心にいる。ここまでの4戦で2回の優勝を含む全レース表彰台(優勝2回、3位2回)で82ポイントを獲得、先頭に立っている。

 ロッシは1996年に17歳で125ccクラス(当時)デビューを飾って以来、125cc、250cc、そして最高峰の500ccとMotoGPクラスで計9回、世界チャンピオンの座に就いた。2013年と2014年はマルケスに対して挑む姿勢を保ち続けてはいたものの、「彼と互角に張り合うのはかなり難しいけれども、決して不可能でないと思う」と言うように、マルケスに一歩及ばなかった。しかし、今年は開幕戦から二十代の頃の最強時代に劣らない強さを見せている。

 なぜ、そこまでして勝ち続けることができるのか。

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