【F1】メルセデスAMGを猛追。フェラーリはどこが進化した? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 フェラーリの強さは決勝でのレースペースの速さにある。たしかに、マシンの純粋なピーク性能が問われる予選一発の速さではメルセデスAMGに敵わない。しかし、フェラーリのマシンはタイヤに優しく、タイヤの性能低下を抑えることができる。そのため、ペースを抑えて走る必要がないのだ。

 実を言えば、バーレーンGPでフェラーリ陣営は逆転優勝を期していた。

 マレーシアGP決勝でメルセデスAMGにつけ入る隙を与えないほど速いペースで走り、タイヤ交換を彼らよりも少ない2回にして勝利したように、バーレーンでも決勝でハイペースを維持することが可能と予測していたのだ。

 フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ代表は決勝の後、次のように悔しがった。

「決勝で気温が下がり、路面コンディションも変わったことの影響があった。もし気温が高いままだったら勝てたかと言われれば、答えは『イエス』だ。朝の段階では気温が高かったので、ものすごく自信があったんだ。でも、決勝の前に風が吹いてきて(温度が下がったため)『クソったれ!』って感じだったけどね!(笑)」

 つまり、気温と路面温度が高くなればタイヤへの負荷が大きくなるので、タイヤに優しいフェラーリがメルセデスAMGより優位に立てる可能性が高かったのだ。言い換えるならば、わずかなコンディションの違いによって勝敗が左右されてしまうほど、今のメルセデスAMGとフェラーリの差は微妙なものでしかないということだ。

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