【F1】ホンダ総責任者が振り返る序盤戦。「まだ山の裾にいる」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「ジェンソンに対して最善は尽くしました。彼が走れなかったことについては申し訳ないと思う。フェルナンドの結果については、もう一歩のところでポイントが獲れなかったという悔しさの方が大きいです。これを“明”なんて言うわけにはいかない」

 そして、シーズン序盤の4戦を振り返って、新井はこう語った。

「(目指すべき)山が高いなという感じです。まだ山の何合目という段階じゃなく、裾のほうにいる状態です。メルセデスAMGはまだまだ遥かに高いところにいるし、中団チームと戦えるようになったとはいってもそこが我々の目標ではないですからね。方向は正しいと思っていますし、技術的な方向性は変えません。でも、開発に関してはいつ何を使うのかという課題もあります。まだいくつか新しいピースが必要という感じですね」

 準備不足のまま開幕を迎えてしまったマクラーレン・ホンダだったが、1戦ごとに学び、成長している。彼らにとって初めての2週連戦となった上海からバーレーンの4日間でも、着実な進歩を遂げた。その軌跡を辿れば、この先の歩幅に期待したくなる。シーズン中のパワーユニット性能向上に直結するアップデートも徐々に視野に入ってきている。

 次はいよいよヨーロッパラウンド、スペインGP(5月10日決勝)。マクラーレン・ホンダは今いる“スタート地点”からどれだけ前進していられるのだろうか。2週間のインターバルの間も、彼らはその歩みを止めることなく、前進を続けているはずだ。

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