【F1】ホンダ総責任者が振り返る序盤戦。「まだ山の裾にいる」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「チームとしてやれることはやりました。必要なところに割り当てたということです。パワーユニットの性能をサーキットの特性に合わせて使い切れたと思うし、その点に関してはよくできたと思います」

 他車がタイムを伸ばしたQ2では14位に終わったが、アロンソはマシンのさらなる進歩に一定の評価を与えた。そして決勝では、ザウバーやフォースインディアと互角の走りを見せ、レース終盤は9位ダニール・クビアト(レッドブル)や10位フェリペ・マッサ(ウイリアムズ)よりも3、4秒速いペースで差を縮めていき、入賞まであと一歩という11位で完走を果たした。

「もう1周あったらひっくり返せていたかもしれませんね。でも面白いレースでしたし、チームとしても非常に良いレース運びができたと思います」

 新井はそう言ってほっと一息をついた。懸念された燃費の問題も、レース中盤にはクリアになって最後まで走り切れることが分かった。

「前半は燃費を気にしながら(ペースを抑えて)走っていたんですけど、最後まで行けるという見通しが立ったので途中からプッシュさせました。フェルナンドも集中してレースをしていたんじゃないでしょうか」

 これまでの完走とはひと味違って、ポイント獲得を現実的な目標とすることができるようになったのだ。

「まだチェイス(追いかけること)はできていませんけど、中団の後ろの方にくっついて走ることはできていましたし、よくマネジメントできたと思います。100%ではないにしろ、段々とまとまりつつあります」

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