【F1】総責任者が語る「マクラーレン・ホンダに不足しているもの」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「トラブル原因は油圧系だったんですが、結果的にICE(内燃機関エンジン)にもダメージがありました。何がダメなのかということは分かったので、その対策は施してきました。同じ問題はもう起きないと思います」(新井康久ホンダF1総責任者)

 開幕戦のメルボルンでは熱害に苦しんだホンダだったが、その対策のためのデータがほとんどなく、どうすることもできなかった。結局、1周でも多く走り、データ収集を優先することになったのだった。

「あまりにも(想定値と)かけ離れてしまった。本来なら、いろんなことをいじって対応するわけですが、確認の取れていない変更を施すわけにはいかず、相当コンサバティブなセッティングで走らせるほかなかった。マレーシアはさらに暑くなりますが、メルボルンのデータ分析を元にしたセッティングを持ってきていますし、車体側もマクラーレン側と話し合いながら、見た目では分からない修正をしてきています」

マレーシアGPから復帰したフェルナンド・アロンソマレーシアGPから復帰したフェルナンド・アロンソ 2月のクラッシュ以来の復帰となるフェルナンド・アロンソもサーキットに姿を見せ、FIAのメディカルチェックを受けてゴーサインを得た。アロンソは早速チームのエンジニアたちとサーキットを1周歩き、新井もその輪に加わった。

「いろいろな四方山話(よもやまばなし)をしました。車体側のエンジニアとの話やタイヤの話などもありますし、どうレースを戦うかについてのほか、セットアップの好みなどを、彼は半分独り言のような感じでずっと話していた。このコーナーでシフトダウンはこういうふうにしたいとかね。質問もあれば(ホンダへの)激励もありという感じですね」

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