【F1】マクラーレン・ホンダは「周回遅れ」ではなく「2週遅れ」!?
そう語った新井は、パワーユニットの性能と信頼性確保に自信をのぞかせていた。さらに、「圧倒的な最下位とか、周回遅れになるとは思っていません」とも語っていた。
「テストでは、本番仕様のパワーユニットが壊れていたのではなく、最終仕様を見極めるためにいろんな物を試していたんです。性能が良くても信頼性が厳しいものもあれば、思ったほど性能が変わらなかったものもあった。それをすべて整理して、まとめあげてオーストラリアGPに持って行きます。ポテンシャルを引き出すためのマチュレーション(熟成)を進めていきます」
徐々に進歩を見せてきたホンダのパワーユニット「RA615H」は、本番仕様でさらに上昇カーブを描くと予想され、伸びしろを考えれば開幕戦で中団争いができるという予測をしていた。
しかし、そこには誤算があった。開幕戦はホンダにとって決して楽なものではなく、まずフリー走行が行なわれた金曜日に異変は起きた。パワーユニットのコントロールデータに不具合が見つかり、FP-1(フリー走行1回目)は約30分を残して取りやめなければならなくなったのだ。
データを見直した結果、このまま走行を続ければ重大なトラブルが発生する可能性があることが分かった。寒い冬のヨーロッパで行なわれた開幕前のテストとは異なる、32度というオーストラリア、メルボルンの気温が原因だった。
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