【MotoGP】最速タイムは誰?開幕前テストで「4強」が早くも火花 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「その領域はとてもよくなったのでハッピーなんだけど、コーナーの立ち上がりに課題が残った。バイクを引き起こして立ち上がっていく過程の中ほどで、加速でロスをしているんだ。その部分で、エッジグリップとトラクションがよくなれば、かなりの強さを発揮できると思う。次のテストでも試すアイテムはあるので、楽しみだよ」

 マルケスは2013年にMotoGPクラスへステップアップしてきた際に、それまでの選手たちとは異質な、独特のライディングスタイルで世界中を驚かせた。暴れるマシンに柔軟に対応し、どんな挙動でも完璧に乗りこなしてしまう才能は、たぐいまれな天性の技術だ。

「重要なのは、2015年仕様のバイクは、さらに改善できる余地がまだまだある、ということなんだ」

 マルケス自身は無邪気に笑いながらそう話すが、これらのコメントから、彼の飛び抜けた技術が、さらに一段高いステージへ向かいつつあるということがうかがえた。

 また、この日の走行では、選手たちはレース本番を想定したロングランも実施した。そこで最も水準の高い走りを見せたのは、マルケスのチームメイト、ダニ・ペドロサだった。毎年、あと少しのところでチャンピオンを逃してきたペドロサは、現在29歳。王座獲得へ、そろそろ正念場といっていい年齢にさしかかりつつある。

 午前中のタイムアタックでペドロサは、マルケスからわずか0.139秒差の1分59秒006を記録した。マルケスのタイムがなければ、セパンサーキットの非公式最速になっていたはずのラップタイムだ。

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