2014.10.15

【F1】ロシアGPでリタイアした小林可夢偉の本音

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 スペアパーツが底をついているため、クラッシュでもしてパーツを失えばもうそれ以上の走行ができなくなる可能性すらあった。コンクリートウォールに囲まれたソチの半公道サーキットではそのリスクも高く、無理はできない。

「いつも以上にぶつけないように意識して走らないと。クラッシュした瞬間に、僕は荷物まとめて帰りますよ(苦笑)」

 実は日本GPの時点ですでに、車体右側のパーツは底をついていた。可夢偉はFP-2でクラッシュを喫したが、あれが右側から当たっていればマシン修復は不可能で、レースには出場できていなかったという。状況は、レースを追うごとに悪化している。

「ぶつけたらお終いどころじゃなくて、いつ壊れるか分からないような、もっとひどい状態。それくらいマイレージ寿命がギリギリのパーツを使ってますから」

 シンガポールGPから続くフライアウェイ戦の間、ファクトリーからのスペアパーツ補充はない。日本GP前にはケータハムのファクトリーが差し押さえられたと報じられたが、チームはこれを否定している。

「リーフィールドのファクトリーに差し押さえ執行官が入ったのは事実だが、ほとんど何も押収されていないし、サーバーのスイッチも切られてはいない。マシンのパーツも工作機械も押収はされていない。差し押さえられたのは過去のF1マシンに関するアイテムだけで、現在のF1活動に関するものは一切持ち去られていない。弁護士が書類上の事務手続きを済ませ、押収されたものも返ってくる。問題はすべて解決されている。さまざまな噂が広がっているが、どれもこれも正しくない」(マンフレディ・ラベット代表)
 
 しかし、チームが財政的に苦しい状況にあることは間違いないようだ。日本GPに投入された新型フロントウイングひとつを除いてスペアパーツの製造が進んでいないことや、シンガポールGPでタイヤの供給が遅れたことからもそれは明らかで、ブレーキディスクの購入もできない状態という。