【MotoGP】連覇達成。21歳マルケスの強さにロッシも脱帽 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「マルクのすごいところは、最初から飛び抜けて速いライダーだということ。どんなバイクでも速く乗ってしまう天性のモノを持っている。去年から今年にかけて、さらにどれだけ成長するかということに注目していた。なぜなら、優れたライダーはルーキーシーズンから2年目に大きく伸びるものだからね。

 僕たちにとって残念なことに、彼はとても大きく成長をしていた。速さだけじゃなく、ライディングスタイル、つまり、バイクの乗りこなしかたやブレーキング、加速のさせかたなどが、去年と同じようなアグレッシブさを保ったまま、今はさらに状況をうまくコントロールできるようになっている。去年はときに無謀すぎることもあったからね。今後は僕よりも勝利数を挙げないでほしいけど(笑)、達成する可能性は高いだろうね」

 今回のレースで優勝したロレンソも、6歳年下のライバルの才能を高く評価する。

「(マルクのこの一年は)ほとんど完璧だった。ミザノとアラゴンではミスをしたけど、それ以外ではいつも水準が高く、アグレッシブでありながらいつも安定していて、昨年の序盤によくやっていたような転倒もほとんどなかった。昨年、ルーキーイヤーでチャンピオンを獲ったのは確かにすごいことだけれども、あのシーズンは僕やダニが負傷していたことも、多少は彼に有利に働いたかもしれない。しかし、今年はそうではない。彼はほぼ完璧なレースばかりだった。素晴らしいと思う」

 当のマルケスは、今回のチャンピオン獲得でプレッシャーから解放されたこともあり、シーズン残りの3戦は「すべて勝利を目指したい」と話している。それを実現させて、シーズン14勝を達成すれば、二輪ロードレース界前人未踏の大記録だ 。21歳のスペイン人王者は今後 はたしてどこまで勝ち続けるのか、世界中が注視 している。

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