【F1】世界が認める日本人エンジニア。小松礼雄の思考方法 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 しかし、どんな難題を突きつけられようとも、その解を求めることに執念を燃やし、そこに快楽を見つけ出すのが技術者というものだ。その点においては、2014年のF1は面白い。

 小松は言う。

「いちエンジニアとしてはやりがいがあります。技術者としてのリサーチプロジェクトだと考えれば、やっていて面白いです。これまでとはまったく違う観点からものを見なきゃいけないし、知らなかったこともたくさん勉強しなきゃいけない。そういう意味ではすごく面白い。でも僕らはレースをして結果を出さなきゃいけないですからね。そういう意味では最悪です」

 最後にそう言い切るあたりが、小松らしい。きれい事だけで飾ったり、自分を正当化したりしない。協調性を重視する日本人的思考とは無縁で、言うべきことは言い切る。小松が小松たるゆえんだ。

 この先もロータスにとっては厳しいシーズンが続く。しかしきっと、これからも小松がレースをあきらめることはないだろう。

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