可夢偉の前半戦を総括。「10戦で2年分の経験をした気分」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 唯一の日本人F1ドライバーとして、自分が背負っている責任の重さも、自分が果たしている役割も理解している。それと同時に、どれだけ目の前の現実が厳しくとも、切望してようやく舞い戻ったF1の世界を楽しんでいる。

「楽しんでますよ。何があっても笑いながら。うん、F1に戻ってきて良かったと思ってますよ。ただ、こんな戦いを10年もやりたくないですけどね(苦笑)」

 最下位を争っている現状は、決して楽ではない。1月にこのチームに加わってからというもの、レースだけでなく予算との戦いもあれば、チーム組織改革との戦いもあった。そしてケータハムは新経営陣へと移行した。

 そんな中で可夢偉は常に全力で戦ってきた。

「もしチームが他のドライバーに代えて結果が出ると思うんやったら、僕は喜んでシートを譲りますよ。思い残すことはない」

 可夢偉はそう言い切った。それは、自分が最大限の走りと貢献をしているという自負があるからこそ言えることだ。

 ここから真の戦いが始まる。後半戦も、可夢偉は胸を張って全身全霊で戦いに挑んでいくだろう。

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