2014.07.25

国内人気ナンバーワンの「スーパーGT」に異変?

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi photo by GTA

 そのマシンで戦うスーパーGTは、ホンダにとってF1と同様に重要なレース活動であるはずなのだが、開幕からの3戦では優勝争いにからむどころか、表彰台に上がることすらできなかった。第2戦の富士では5台中4台のNSXにマシントラブルが発生してリタイア、完走した1台もトップから15周遅れでゴールするという、散々な結果に終わっていたのだ。

 ホンダのひとり負けの状態が続く中、7月中旬に開催された第4戦のSUGOを前に、異例の救済措置がとられることになった。

 本来、スーパーGTのルールでは、一度ホモロゲーション(型式認定)を受けたマシンは、シーズン中にボディに改良を行なうことは認められていない。しかしNSXだけに改良が許されることになり、マシンの最低重量も軽減されることが決まったのだ。

 そして迎えた第4戦のスポーツランドSUGO(宮城)では、天候がめまぐるしく変わる難しいコンディションの中で、塚越広大選手と金石年弘選手がドライブするリアルレーシングの NSXが3位に入り、ホンダにとって今季初の表彰台を獲得した。

NSXは第4戦で今季初表彰台を獲得したが苦しいシーズンが続く ただ、SUGOは気温も低く、変わりやすい天候によって荒れたレース展開だった。ライバルと真っ向から勝負し、表彰台を獲得したわけではないし、ホンダ勢がこれまで苦しんでいたターボエンジンを起因とする熱トラブルを完全に克服し、優勝を狙えるパフォーマンスを取り戻したとは言えない。真夏の富士スピードウェイで開催される第5戦(8月9日~10日)で、ホンダの真価が問われることになるだろう。

 ホンダのエンジン開発のトップはシーズン前半の不振の理由を、「ハイブリッドシステムが搭載されるNSXは、ライバルに比べて最低重量が70㎏重いというハンデがあることが大きい」と語っている。

 たしかにそれもひとつの要因かもしれないが、不振の最大の原因は、ホンダがライバルに対して開発に遅れをとっていることだ。それはスーパーGTで使用されるエンジンと同じ仕様の2リッターのターボを搭載して戦われているスーパーフォーミュラ(SF)の結果を見れば明白である。