【F1】初表彰台。名門ウイリアムズは輝きを取り戻せるか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 それだけオーストリアGPのウイリアムズは速かった。だからこそ、最初から勝負を放棄したことが残念でならない。裏を返せば、今のウイリアムズには真正面からトップチームと戦うだけの経験や力がない。開幕から何度も獲れたはずのポイントを落としてきたのは、チームの「レース下手」のせいだった。それを自覚していたからこそ、彼らは勝負に出なかったのだ。

「去年のウイリアムズは15位や16位を争っていたが、メルセデスAMGは去年からトップ争いをしていた。それはまるで異なるレースだ。我々はこれからトップ争いを学び、あらゆるディテールを磨いていかなければならない。そこには魔法などないし、常に進歩すべく努力し続けていくしかないだろうね」(スメドリー)

 昨年の不振から大きく飛躍を遂げた名門ウイリアムズは、長い低迷で錆び付いていた自分たちの力に少しずつ磨きをかけている。一朝一夕には成し遂げられなくとも、彼らはやがてかつての輝きを取り戻すことだろう。オーストリアの戦いは、そんな予感を与えてくれた。

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