【F1】フォースインディアの「企業秘密」を担う男・松崎淳 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「僕の専門分野はタイヤですけど、ブリヂストン時代にいろいろと勉強させてもらいました。だから、タイヤを中心として、その周辺まで含めた知識と経験を生かし、このチームで他のエンジニアたちと協力して、いかにクルマを速くしていくかということだけを考えています。

 普通の会社組織と違って、この世界では個人の責任の範囲が広いんです。自分で判断したことが間違っていたら、それはすぐに結果に出て来ますし、上司に言われたわけでも何でもなく、ほかの誰かの責任でもなく、自分の責任です。そういうところはキツいですよ。でも、だからこそ楽しいんです」

 厳しい環境、難しい挑戦だからこそ燃える。それはエンジニア冥利に尽きる環境だ。そしてそれこそが、松崎がブリヂストンでの生活を捨てて荒波のF1の世界に飛び込んだ理由に他ならない。

 フォースインディアの鮮やかな躍進の裏に、松崎の存在あり。彼が生み出す“企業秘密”は、これからこのチームをどこまで押し上げていくのだろうか。

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