F1の心臓部を扱う白幡勝広「たたき上げメカニック人生」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

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 レース終了後は、そのまま深夜までピットガレージ設備の撤収作業を行ない、戦いを終えたマシンの整備をしたうえで、資材をコンテナにパッキング。そして英国オクスフォードシャーにある本拠地ファクトリーへと送り出す。その後の数日間をファクトリーで過ごした後、翌週にはまた次のグランプリへと旅立っていく。世界中を転戦するF1メカニックの仕事は過酷だ。

 しかし、今年のウイリアムズには1月のヘレス合同テストの時から明るく和やかな雰囲気が漂っていた。不振にあえいだ昨年とは比べものにならないほどマシンの出来が良く、絶好調だったからだ。シーズンが開幕してまだ大きな結果につながってはいないが、チームスタッフたちの表情が去年とは段違いに明るい。

「どんなポジションで戦っていてもやっている仕事は変わらないけど、やっぱり成績がいいと気分が違いますよね(笑)。7位か8位でゴールしても、去年17位、18位でフィニッシュしたときのような雰囲気なんです。たとえばバーレーンGPは3番グリッドからのスタートで、表彰台を狙ったけど7位と8位だったので落ち込んでいると、クレア(・ウイリアムズ/チーム副代表)が『なにをガッカリしているの!』とみんなを元気づけるくらい(苦笑)。去年と比べたらすごい贅沢なハナシです」

 フェラーリからフェリペ・マッサが加わったウイリアムズは、バーレーンGPからフェラーリでマッサのレースエンジニアを務めていたロブ・スメドリーが加入。彼がビークルパフォーマンス責任者としてレース現場を取り仕切るなど、ウイリアムズは次々とチーム体制強化策を打ち出し、数年先を見据えて着実に進歩を遂げようとしている。

「ロブが入って、チームが変わっていくなと感じる部分がありました。彼の言葉には自信と力があるんです。このチームがガラッと変わるということではなく、彼の考え方とかやり方によって、このチームが必要としていたものが新しく加わるという感じです」

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