【MotoGP】ブリヂストン撤退表明。トップライダーたちの反応は? (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ペドロサも、ロッシと同様の意見をコメントしている。

「今のブリヂストンタイヤはとてもバランスがよい。ウォームアップ性もいいし、パフォーマンス、耐久性、安全性もいい。この水準を達成するまで、彼らは長い時間をかけてきたんだ」

 自分たちの言葉を証明するかのように、スペインGP、日曜日の決勝レースでロッシとペドロサはそれぞれタイヤ性能を存分に活用する走りで、最終ラップまで激しい攻防を繰り広げた。最後は、ロッシが2位でゴール。ペドロサは僅差の0.098秒差で3位に入った。

開幕から4連勝と絶好調のマルケス開幕から4連勝と絶好調のマルケス そして、このふたりの前で優勝のチェッカーフラッグを受けたのは、昨季王者の21歳、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。開幕戦から4戦連続ポールトゥフィニッシュで、一時は2番手のロッシに5秒差を開く圧巻のレース内容だった。

 マルケスが生まれたのは1993年。山田たちが125cc(当時)でグランプリ界への挑戦を開始した年には、まだ生まれてもいなかった。マルケスが125ccへ初参戦した08年ポルトガルGPでは、すでにブリヂストンは他を圧倒する優勢を築きあげていた。

〈ブリヂストン時代〉しか知らないマルケスは、「コーナーによっては、路面よりも(ペイントを塗った)ゼブラゾーンのほうがグリップを稼げるんだ」と尋常な人間に理解不可能なことを平然と言ってのける。

 この若者ならば、タイヤの品質や水準がどんなものであろうともお構いなしで、今後も既存記録をどんどん塗り替えてゆくかもしれない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る