【F1】速すぎるメルセデスにライバル勢は追いつけるのか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 PUのパワー不足と空力効率で劣っているとされるフェラーリも黙ってはいない。

「僕らがストレートで劣っていることは事実だ。しかし、それ以外の部分にある僕たちの長所を発揮できるサーキットもある。僕らはコーナーでは速い。それに来週のテストでは新パーツを試し、僕らにとって逆襲の第一歩となるだろう。(コーナーの多い)中国GPやスペインGPではウイリアムズやフォースインディアより速いはずだし、表彰台争いができるはずだ」

 大きくレギュレーションが変わった2009年の序盤戦を席巻したブラウンGPは、後半戦に入って強豪チームが開発を推し進めてくると瞬く間に失速した。過去のそうした例もあるように、今は大きくリードしていても、ライバルたちと同じように開発を進めていくことができなければ、そのリードはあっという間に消え失せかねない。そのブラウンGPが2010年に買収され姿を変えたのが今のメルセデスAMGだ。歴史は繰り返すのか、それとも過去に苦い経験を味わっているからこそ彼らは2014年を戦い抜くことができるのだろうか。

「ひとつの風が永遠に吹き続けることはない。コーナーの先がどうなっているかなんて、誰にも分からない。だから目の前の1日1日を全力で駆け抜けていくしかないんだ」

 バーレーンにやって来たばかりの木曜日、ハミルトンがふと呟いた言葉が妙に印象に残った。この先にまだまだ長い道のりが待ち受けていることを、きっと彼らは知っているはずだ。

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