2014.03.06

【F1】開幕前テスト終了。現時点の勢力図はどうなっている?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 問題は、決勝レースを走り切れるかどうかだ。「オーストラリアGPはどうなるかまだ分からない」と話すのは、フォースインディアで実質上のマシン開発責任者を務める羽下晃夫プロジェクトリーダーだ。

「とくにシーズン序盤は本当に何が起きるか分からないし、去年の上位チームが思ったよりも下でフィニッシュしたり、逆に下のチームが思ったよりも上でフィニッシュする、なんてことがあると思います。ドサクサに紛れて上を狙えるというのは、去年はウチとザウバーくらいだったけど、今年はウイリアムズもすごく良いし、マルシアだって侮れない。このあたりの争いはかなり熾烈になると思いますよ。メルセデスは先行逃げ切りを狙っているでしょうね」

 本来ならば、こうしたドサクサを利用してチーム初のポイント獲得を狙いたいのが小林可夢偉のケータハムだが、計3回のテストで抱えたトラブルの数を考えると、それが容易なことだとは決して言えない。しかし「スーパーソフトを履いてタイムアタックができれば、現状でザウバーくらいのタイムは出せるはず。実質的なタイムはそんなに悪くない」と可夢偉が語るとおり、見た目上の順位ほどケータハムの立ち位置は悪くない。問題は、テストデータをもとに開幕までにマシンを熟成すると同時に、信頼性を確保することができるかどうかだ。

「ここからイギリスのファクトリーへ行って、できるだけチームと一緒に準備をします。シミュレーターにも乗って。状況は厳しいけど、“厳しい”って言うたってやるしかない。自分たちにできるだけのことをやって、それでオーストラリアに行って、あとは運転で合わせるしかないって感じですね。ライバルとの差なんて考えても意味ないし、そんな無駄なこと考える時間があったら、僕らはクルマを速くすることだけを考えますよ」

 開幕まではまだ2週間弱の時間が残されている。その残された時間をいかに使うかで、勢力図は開幕戦までにさらに変化を見せるだろう。

 現時点でライバルたちに空力面で後れを取っていることを認めているマクラーレンも、開幕戦にはアップデートパーツを投入する予定だ。そしてもちろん、どのチームも多かれ少なかれアップデートしてくるだろう。