2014.03.04

【MotoGP】プレシーズンテストでトップタイム。
元王者ロッシに「復活の兆し」

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira photo by Nishimura Akira

「エッジグリップが低いので乗りにくいけれども、(深い角度で旋回し、コーナリング速度を稼ぐ乗り方の)ホルヘはエッジで走る時間が長いからね。(今年から燃料の容量が減ったことにより)燃費を向上させるための電子制御でも、その領域で強い癖が出るので、ホルヘは大きな影響を受けているのかもしれない」

2014シーズンのマシンの手応えを語ったロッシ このライディングスタイルの相違に加えて、ヤマハのマシンは本来、旋回速度を高めることでタイムを稼ぐ一方、ホンダはコーナー深くまで突っこんで向きを変えると素早くマシンを引き起こして勢いよく加速する、という特性の違いがある。ライディングスタイルとマシン特性の双方が相まって、ロレンソにもっとも大きな影響が出たのだろう。

 実際にペドロサは、「たしかにエッジグリップは2013年仕様とは異なるから、素早くマシンを引き起こして立ち上がっていく必要がある」と、平然とした表情で語っている。

 そしてこの言葉に続けて「でも、数年前には自分たちにニュータイヤの影響がすごく大きく表れて、どのサーキットでもチャタリングに悩まされていた。あのときはヤマハに何の問題もなかったわけだから。出されたものは食べなきゃね」と、笑いながら述べた。

 車輌特性に違いがあるホンダとの差はともかく、同じマシンに乗るロッシとここまで走りの内容に開きが出ると、たとえプレシーズンテストとはいえ、ロレンソは穏やかな心境ではないだろう。逆にロッシにしてみれば、チーム内の最強ライバルよりもいい内容のテストになったことで、自信とモチベーションを甦(よみがえ)らせるに充分な手応えを摑むことができたようだ。

 ところで、前回のテストで驚異的な走りを披露した21歳の世界チャンピオン、マルク・マルケスは、テスト直前に右脚腓骨を骨折し、現在は休養中。開幕には間に合うようだが、プレシーズンテストはすべてキャンセルを余儀なくされている。しかし、その程度のことでマルケスの勢いは削がれないだろう、というのが選手たちの一致した見方だ。