【MotoGP】2014年、「20歳の王者」マルケスと「大ベテラン」ロッシの差は縮まるか? (2ページ目)

  • 西村 章●取材・文 text by  Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 この言葉どおり、2日目も順調にテストメニューを消化していき、この日もヤマハ勢のトップで総合4番手につけ、前日の自己ベストタイムをさらに0.4秒縮めた。

ヤマハに復帰して2年目となるロッシ。今季、元王者の復調はあるかヤマハに復帰して2年目となるロッシ。今季、元王者の復調はあるか 今シーズンは、レギュレーション変更に伴いファクトリーマシンの燃料容量は昨年の21リットルから20リットルへ縮小されており、燃費効率の向上は必須要件になっている。この課題をクリアするためにYZR-M1のエンジン特性が「ややナーバスになっている」とロッシは指摘した。

「今のバイクは非常に気に入っているけれども、特に深いリーンアングル(バンク角度)のときの操作に少しだけ神経質になってしまうんだ。僕のライディングスタイルでは大きな問題にならないけど、(チームメイトの)ホルヘ(・ロレンソ)のほうがこの影響は大きいようだね」

 さらに、ブリヂストンが今年投入する耐熱構造のニュースペックリアタイヤも、マシンとの相性面で「微妙な課題が明らかになった」と話した。

「2013年スペックと大きな差はないけれども、2014年型を履くと少しだけバランスが崩れてしまうようだ。悪くはないけど、ニュータイヤではもっと速く走れると思っていたので、そこも改善をしていきたい。去年の最初のテストでも自分たちはいい走りができていたけれども、その後、他の選手たちのほうが上げ幅が大きかった。だから、今年はさらに改善できるようにしていきたいんだ」

 テスト最終日、ロッシは午前の早い時間帯にタイムアタックを実施。マルケスにわずか0.194秒差の1分59秒727をマークした。午後に行なったレースシミュレーションのロングランも「納得の仕上がりだった」と満足げに振り返った。

「タイヤエッジにあまり負荷を与えないよう、ライディングスタイルを変える努力をしたんだ。去年1年間の経験で、だいぶよく走れるようになってきたよ」

 昨年のプレシーズンテストは、久々のヤマハ復帰であることに加え、若い世代の選手たちとどこまで戦える力があるのかを探ることが、大きなテーマでもあった。今年のロッシは、昨年の結果を踏まえ、マルケス、ペドロサ、ロレンソのトップ3と互角に争う準備を謙虚に、かつ着々と進めているようだ。

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