【F1】可夢偉の復活は?来季シート争い最新情報 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 持ち込み資金の額がものを言う「ペイドライバー」が横行する風潮に対して批判がなされてもいるが、来季のシート争いに名前の挙がっているドライバーは、いずれも今季のF1のパドックにいるドライバーばかりだ。つまり、資金力だけでなく、どんなかたちであれF1界にいることが大切なのだ。

 USGPで、ライコネンの代役としてロータスのマシンに乗ったコバライネン(結果は15位)は、自身が起用された理由を次のように語った。

次戦ブラジルGPでもロータスで走るコバライネン。来季はケータハムに加入予定次戦ブラジルGPでもロータスで走るコバライネン。来季はケータハムに加入予定「今年、ケータハムのリザーブドライバーとして何度も金曜フリー走行に参加していたことが、とても大きかったと思う。それこそがロータスが僕を選んでくれた要因だろう。今シーズン、フリー走行を経験していなければ、彼らが僕にオファーすることはなかっただろう」

 日進月歩のF1界において、最新のF1マシン、最新のF1タイヤを経験していないドライバーを起用するのは、リスクが大きすぎるということだ。レースシートを得られなくとも、フリー走行やシミュレーターなど、F1マシンに触れる手段はある。コバライネンしかり、マグヌッセンしかり。とにかく、F1のパドックにいることの意味は極めて大きいのだ。

「F1に乗れないと分かった今年の初め、僕が目指したのはとにかくF1界に残ることだった。たとえリザーブドライバーだとしてもね。でも、その決断が、今シーズン最後の2戦に、ロータスで起用されることにつながったと思うよ」

 コバライネンの言葉を聞くにつけ、シート獲得のため、F1の世界に留まり続けることの重要性を、あらためて痛感させられた。

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