【F1】可夢偉の復活は?来季シート争い最新情報 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 そのほか、レッドブル、フェラーリ、メルセデスといった上位チームやトロ・ロッソのシートはすでに決まりつつあり、残る空席はフォースインディア、ザウバー、ケータハム、マルシアになる。

 フォースインディアは、前述のとおりマルドナドかヒュルケンベルグが濃厚と言われている。ヒュルケンベルグがロータスに入り、マルドナドがザウバーを選んだ場合、ポール・ディ・レスタ残留の可能性もある。

 ザウバーはロシアからの莫大な資金が投入されると言われているが、その実体はまだ見えてこない。そのスポンサーの動き次第で、マルドナド獲得の可能性も十分にあるだろう。また、マクラーレンのスポンサーから離脱するメキシコ企業のテルメックスが、来季のザウバーに資金を集中する場合、メキシコ人のエステバン・グティエレスを残留させ、もうひとりはセルジオ・ペレスを走らせることになりそうだ。

 ケータハムは、現在ルノーの準ワークスチームとして運営されており、ルノーの支援を受けるフランス人シャルル・ピックの残留がほぼ確定。さらに、コバライネンも契約目前だという。

 マルシアはフェラーリの支援を受けるジュール・ビアンキの残留が決まっており、残る1席も莫大な資金を持つマックス・チルトン残留の可能性が高い。また、30億円規模の資金を持つギド・ヴァン・デル・ガルデも、マルシアやザウバー、フォースインディアなど資金面に不安のあるチームのシートを狙っている。

 いずれにしても、彼らはみなクアンタムとロータスの動向を見守っている状態だ。そこが決まればドミノ倒しのように一気に他のシートも決まっていくことになる。

 そんな中、残念ながら小林可夢偉の名前はまったくと言っていいほど聞こえてこない。USGPが開催されていた週末、可夢偉はF3の世界一決定戦が行なわれているマカオを訪れていたようだが、そこで何らかの交渉を進めていたのだろうか。

 可夢偉は2014年のF1復帰にこだわる姿勢を見せているが、上記のようなシートを争うドライバーたちの顔ぶれと資金力を見ると、可夢偉の置かれている状況はかなり厳しいと言わざるを得ない。

 来季はマシンの技術規定が大きく変わるだけに、チーム側はまず実力優先でドライバーを選びたがっている。完全に白紙からのマシン開発になるため、それを担うことのできるドライバーでなければ大きく後れを取ってしまう可能性があるからだ。

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