2013.10.20

【F1】可夢偉のライバル? 佐藤公哉がシート獲得へ急成長中

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki photo by Getty Images

 日本GPが終わると、公哉はすぐにヨーロッパに戻って10月18日にイタリアのバイラーノでザウバーの直線走行テストを担当した。レギュレーションで許される範囲内の、直線路でのテスト走行とはいえ、2度目のF1マシンドライブ。チームが公哉の技術を評価しているからこそのオファーだった。

「またF1マシンに乗るわけですからすごくハッピー。1回じゃなく何回も乗りたい。こうやってザウバーから声を掛けてもらえるのは嬉しいです。次はカーブがあるところで乗れたらもっと嬉しいですね(笑)」

 とはいえ、公哉も彼のマネジメントチームも焦ってはいない。来季のターゲットは、F1のレギュラードライバーのシートではなく、F1の世界で経験を積むこと。着実に準備を整えることを最優先に考えている。まずは、金曜フリー走行でのF1マシンドライブが現実的な目標だ。

「チャンスを頂ければ嬉しいです。もちろん、シーズンを通して走れるなら全部走りたい。ただ、フルマラソンで言うとまだ折り返し地点で、(シート獲得という)ゴールまであと25kmくらい残っていると思います。タイミングも重要ですし、焦らずいきたいですね」

 どれだけ有能なドライバーでも多額の持参金が必要となる今のF1だけに、公哉のようにF1シート獲得まで近づきつつあるドライバーに対して、日本企業からの支援も期待したいところだ。そのバックアップが多ければ多いほど、今いる折り返し地点からの道のりは平坦になる。

「鈴鹿でF1チームに帯同して、夢のひとつがかなったという感じです。技術面だけでなく精神的な面でも学ぶことはありましたし、トップドライバーを間近に見たことで到達すべきところが見えた。F1で長くキャリアを重ねていけるようにしたいと思っています」

 初めてのグランプリ週末を終えた公哉は、テストでは決して知ることのできなかったF1の姿を肌身で体感し、今まで“憧れの世界”でしかなかったF1を“現実的な目標”として見定めたようだ。

関連記事