【F1】可夢偉のライバル? 佐藤公哉がシート獲得へ急成長中 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki photo by Getty Images

 だがこの男、コクピットに座ると凄い。

 2010年まで全日本F3で経験を積み、2011年に日本を飛び出してドイツに渡ると、ヨーロッパで最も競争の激しいユーロF3に参戦。初年度から1勝を挙げ、2012年は4勝を挙げてランキング3位。今季参戦したAUTO GPでは、550馬力のマシンを操って5勝。最終戦までチャンピオン争いを繰り広げ2位となった。ヨーロッパ特有の激しいバトルや、コース外の荒波にも揉まれて、彼は強さを身につけた。レースに強く、サイドバイサイドでマシン同士を接触させながらでも引かず、そのまま相手を抜き去る度胸もある。

 7月にはシルバーストンでザウバーの最新型F1マシンをテストし、400km近く走り込んだ。

7月、ザウバーのテスト走行に参加し、F1を体験した佐藤公哉。チームはその力量を高く評価している7月、ザウバーのテスト走行に参加し、F1を体験した佐藤公哉。チームはその力量を高く評価している ここで、ザウバーの技術陣から高い評価を得た。テストで彼の走りを目の当たりにしたチーフエンジニアのトム・マクロウは、公哉のことを次のように評価している。

「キミヤは最初からとても落ち着いていて、感心したよ。言語能力も申し分ない。F1特有の高速コーナーはまだ攻めきれていないけど、それは初体験なのだから当然だ。それよりも驚いたのは、中低速コーナーしかないこのサーキットの前半部分を、エースのニコ・ヒュルケンベルグとたったの0.2秒差で走ってしまったことだ。あと1日走らせてやりたいね。そうすれば彼は大きく成長できるよ」

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