【F1】可夢偉のライバル? 佐藤公哉がシート獲得へ急成長中

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki photo by Getty Images

 10月11日、小林可夢偉の登場に沸く日本GPが開催された鈴鹿サーキットのパドックに、ザウバーのウェアに身を包んだもうひとりの日本人ドライバーの姿があった。

 彼の名は佐藤公哉(きみや)、24歳。初めて訪れるF1のパドックに、やや緊張の面持ちだった。

 この男、とにかく謙虚である。

日本GPで、ザウバーのリザーブドライバーとしてチームに帯同した佐藤公哉日本GPで、ザウバーのリザーブドライバーとしてチームに帯同した佐藤公哉 報道陣にカメラを向けられても、笑顔が硬い。「サングラスを外して下さい」と言われると「あっ、すいません!」と言ってそそくさと外す。パドックの中でも「まだアウェー感がありますね」と率直に話す。いわゆる大物オーラもないから、観客エリアを歩いていてもファンに囲まれることはない。

 ザウバーのリザーブドライバーとしてノミネートされ、鈴鹿にやって来た公哉が、金曜日のフリー走行に出走する可能性もあった。だが、結局それは見送りとなり、公哉は「正直、走らないことになってホッとしています」と言って苦笑いした。

「母国でF1マシンに乗れたら夢のようですけど、遅かったらカッコ悪いですし(苦笑)、まだまだみなさんにお見せできないパフォーマンスのレベルだと思っています。初めてのフリー走行が鈴鹿というのは危ないですよね。F1は(走った経験のある)F3のマシンよりラップタイムが1周30秒も40秒も速いですから」

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