【F1】盛況?ガラガラ?現地発、韓国GPの実態レポート (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 たしかに、赤字を垂れ流し続けている韓国GP開催の存続には黄色信号が灯っている。現時点で22戦が予定されている2014年の暫定カレンダーだが、韓国GP以外にも、アメリカGP、ロシアGP、メキシコGPの開催が危ぶまれている。F1側は、20戦は維持したい意向で、ほかのグランプリの動向次第で、韓国GPに経済的な救済措置が施されてカレンダーに残る可能性も十分にあると言われている。

 普段F1を報じることのないメディアが、レースの現場取材をしてもいないのに韓国GPの問題点を指摘して報じているが、それは、韓国GPへの批判というよりも、F1というスポーツが馬鹿にされているようなもの。そうした報道は、F1の品位を下げることにつながりかねない。そのことに、ファンは気づくべきではないだろうか。

 木浦の街にはF1受け入れ体制が敷かれており、ホテルには英語を話すスタッフが派遣され、レストランにはF1マークのついた看板が掲げられる。写真付きの英語メニューを用意するなど、海外からのファン、関係者にも配慮している。反日感情が盛んに報じられる韓国ではあるが、我々日本人メディアは初年度から嫌な思いをしたことはなく、とても温かく迎えられている。

 木浦で行きつけの焼肉レストランの店員は、1年ぶりにやってきた我々日本人を「おかえりなさい」と笑顔で出迎えてくれ、最後の日には「また来年!」と、笑顔で見送ってくれた。取材現場には、こうしたおもてなしの笑顔があることも伝えておきたい。

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