【F1】ハンガリーで今季初勝利。元王者ハミルトンがタイトル争いに名乗り (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

メルセデスは今回のハミルトンの優勝で今季3勝目。2位はライコネン(左)。ベッテル(右)は3位に入った。メルセデスは今回のハミルトンの優勝で今季3勝目。2位はライコネン(左)。ベッテル(右)は3位に入った。 その結果、ハンガリーGPはハミルトンの独走勝利に終わった。

 名門マクラーレンからメルセデスへの移籍を決めた時には、なぜあえて格下チームへ行くのかと批判も浴びた。チームを移籍したことでマシンのフィーリングの違いに戸惑い、今季序盤は自身のアグレッシブな走りが発揮できないレースが続いた。そして、ようやくそれを取り戻すことができたこの数戦で経験した、タイヤの性能低下による決勝レースでの辛酸。それらを乗り越えて、ハミルトンはようやくメルセデスでの初優勝を手にした。

「信じられないような気分だよ。今日はものすごくタフなレースになると思っていたし、大きく後退してしまうだろうと思っていたんだ。本当に素晴らしい週末だった。僕のキャリアの中でもおそらく最も重要な勝利のひとつだろう」

 2013年シーズンは折り返し地点を迎え、これから3週間の夏休みを経て後半戦へと突入していく。チャンピオン争いでは、頭ひとつ抜け出したベッテルの172ポイントに対して、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソ、そして急浮上のハミルトンが134〜124ポイントの間にひしめいている。

「僕らにはやらなければならないことが山積みだった。タイヤをどう保たせれば良いのか、ここに来るまでは分かっていなかった。でも、路面温度が55度なんていうとても暑いレースでこれだけ保たせられれば、他のどこに行っても大丈夫だと思う。だから、あとは祈るだけだね」(ハミルトン)

 ライバルたちの自滅がなければ、ハンガリーGPの勝利がたやすくハミルトンの元へ転がり込んでいたかどうかは分からない。しかし、ブダペストでの速さと強さを見れば、メルセデスAMGとハミルトンがタイトル争いに名乗りを挙げたことは紛れもない事実だ。

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