【MotoGP】開幕直前。「トップ4」それぞれの思惑 (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira photo by Nishimura Akira

 3日目にもいくつかの項目を残していたようだが、上記のとおり午前から雨が降ったために、テストを取りやめて撤収することになった。大きな項目はすでに済ませ、トップグループの指標となる1分39秒台もすでに記録している。

「バイクには満足」とコメントして、この日は走行せずに撤収した。今回のテストでペドロサは首筋に軽い違和感を訴えており、無理をせずに開幕まで体を休ませよう、という判断もあったようだ。

 世界中から大きな注目を集めているマルク・マルケスだが、今回のヘレス・テストに関するかぎり、ベテラントップ選手の後塵を拝する結果になった。3日間総合タイムでは7番手。1分40秒714でトップからは1.189秒の差だ。今回、低位に沈んだ原因を、マルケス自身は以下のように分析する。

「マレーシアは11月のルーキーテストでも走った場所なので、ある程度の準備もできていた。今回のテストの前に、(新開催地の)オースティンでプライベートテストをして好タイムを記録したのは、誰も走ったことのない場所だったから。そういう場所と比較して、ここヘレスでは皆がセットアップデータを持っている。一方、自分はMotoGPで初めて走るコースだから、ルーキーライダーには難易度が高い。今シーズンは、毎戦レースウィーク最初の金曜に、いつもこの問題と向きあわなければならないだろうね」

 開幕戦カタールへの準備に対しては「まだ全然。もっと距離を走り込んで、とにかく経験を積まなきゃいけない」という一方で「このバイクで走ってまだ日が浅いから充分じゃないけど、カタールでどこまで走れるか、楽しみだよ」とも語る。

 4月7日に開幕戦が行なわれるカタールGPは、ペドロサとロレンソの真っ向勝負を軸に、今回紹介した選手たちがそこに絡んでトップ集団を構成する、そんなレース展開になるのではないだろうか。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る