2013.03.03

【MotoGP】復活ロッシ、自分によく似た新鋭の登場を喜ぶ

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • photo by Nishimura Akira

ロッシは今季ヤマハに復帰。トップ争いに加われる手応えをつかみつつある これをロッシの立場から見れば、今季の彼はふたつの世代を相手に戦う、ということを意味する。第一回目のセパンテスト(2月5日から3日間)を終えた際に、ロッシは「生き返った心地がする。世界最強でレースキャリアの絶頂期にある選手たちと、さほど離れていないタイムを出せたわけだから」と心底ほっとした様子で話した。そして、さらにその下の世代になるマルケスについては、「過去の自分を彷彿させる」と、その資質の高さと精神力の強さを絶賛した。

「なにしろ頭のいい選手だし、周囲の人々や事物に対する取り組み方が素晴らしい。一緒に仕事をするスタッフへの態度も適切だ。マルケスは自分にとって脅威になるだけではなく、ロレンソとペドロサにも頭の痛い存在になるだろうね。だって、彼はほかの誰よりも成長してゆける伸びしろがあるんだから」

 と、手放しといっていいほどの褒めようだ。ロッシは現在までのレースキャリアでさまざまな選手たちとライバル関係を作ってきたが、<仮想敵>をここまで褒めちぎったことは過去に例がない。

 そのマルケスとロッシが、今回のテスト三日目午後に、はじめて<バトル>を繰り広げた。

 時間は2月28日正午過ぎ。ガレージからピットアウトしたロッシが周回を開始すると、すでにコース上にいたマルケスが、その背後で様子を窺(うかが)っていた。それに気づいたロッシは、マルケスを引っ張りながら走行を開始した。

「(相手が)ロレンソやペドロサの場合だとやりにくくて、自分が後ろについたりすると、彼らはすぐにペースを落として(手の内を見せないようにして)しまう。自分が後ろにつかれたときも、彼らには同じことをするけどね。でも、マルケスと走るのはもっと楽しいんだ」

 その後、ロッシがわずかにペースを落とし、今度はマルケスが前に出た。前後を入れ替えながら、両者は5ラップほど、共に走行した。