2013.02.06

【F1】有力チームの新車が出そろう。今シーズンのトレンドは?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

photo by Vodafone McLaren Mercedes Formula 1 Racing Teamphoto by Vodafone McLaren Mercedes Formula 1 Racing Team  そんな中、アグレッシブな開発を進めてきたのがマクラーレンだ。

 彼らは昨年のタイトル争いに加わることができなかったが、マシンの速さはあった。特にシーズン序盤と終盤は最速のマシンであり、トラブルや不運がなければ充分に王座も狙えたマシンだった。

 そのマシンを正常進化させるのではなく、フロントサスペンションの刷新とハイノーズ化という、これまでの設計コンセプトをガラリと変える野心的なマシン開発を行なってきた。前年型にはもう伸びしろが少なく、今季を最後まで戦うにはこうしたアプローチが必要だったという。つまり、彼らは本気で今季のタイトルを狙いに来ているのだ。チーム創設50周年という節目の年であることも影響しているのだろう。

 中団グループでも、ザウバーは野心的なマシンを作り上げてきた。
photo by Sauber F1 Teamphoto by Sauber F1 Team
 エンジンサプライヤーやスポンサーなど2014年に向けた体制がクリアになっていない彼らだが、小林可夢偉とセルジオ・ペレスの活躍で4度の表彰台を獲得するなど、昨年は飛躍の年となった。それを基盤として開発した今季型C32は、超小型サイドポッドを持つ独創的なマシンだ。

 もちろん、野心的な開発が常に正しいとは限らない。野心が空回りすれば失敗もあり得るし、コンサバティブなマシンに及ばないことだってある。

photo by Lotus F1 Teamphoto by Lotus F1 Team  昨年1勝を挙げて、堅実なマシン開発で3強(レッドブル、フェラーリ、マクラーレン)喰いを掲げるロータスか、独創のザウバーか、はたまたワークスチームの威信を賭けたメルセデスAMGか。中団からどこが抜け出すかも注目ポイントのひとつだ。

 とは言うものの、開幕から7戦で7人の異なる勝者が生まれた大波乱の昨年とは異なり、今季は少数のチームによるタイトル争いになるのではないかとの見方ができる。先に述べた通り、2014年の大改革に向けて膨大な準備作業が必要となるからだ。

「この数年間で勝ち続けている者が浮上してくる。今年は2、3のチームが勝ち続ける展開になるだろう。僕らはそのうちのひとつにならなければならない」(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)

 シーズン序盤戦で勝利のチャンスがないと見たチームは、さっさと2013年に見切りをつけて、すべての力を2014年の大逆転に向けて注ぎ込むだろう。となれば、2013年の王座を争うのはごく限られたチームだけということになる。