2012.12.12

【F1】可夢偉が語るシート獲得活動の現状。「道筋が見えている」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

『KAMUI SUPPORT』で支援金が集まるとともに、企業とも交渉をしているという可夢偉『KAMUI SUPPORT』で支援金が集まるとともに、企業とも交渉をしているという可夢偉 ――彼らとの交渉状況というのは?

「どのチームも手土産(スポンサー)を持っていかないと厳しい状態ですね。僕らも頑張ってはいるんですけど、今僕らが『これだけ持っていける』っていう金額に対して、周りには『もっと持っていける』っていうドライバーもいるし、ケタが違うみたいで。そういう状態で、苦戦はしてるんですけど、結局向こう(交渉相手のチーム側)が何を言うかっていうと、『パフォーマンスに関しては言うことはないし、心配はしていない』と。『でもほかに30億、40億円持ってくるというドライバーがいたら、その金額差をパフォーマンスでカバーできるのか?』っていうリアルな話もされるわけですよ。そしたら『そりゃそうやね』って言うしかないでしょ? ドライですよね」

――でも、彼らとしても気持ちとしては「可夢偉を取りたい」ということでしょうか?

「それは間違いなくそう言ってくれてます。だから、持ち込み資金の金額では(ライバルに)勝てないと思うけど、こっちもお金を持っていってできるだけその差を小さくしたうえで、あとは(その差を埋めるものとして)パフォーマンスを買ってもらうしかないんです」

――オフに入ってからの数週間で、感触としては前進? 後退?

「本当に分かんないですよ、こればっかりは。自分自身の感触としては、良くなってますよ。『KAMUI SUPPORT』を始めたことによってすごく良くなってはいます。ただ、まだ企業からの支援というのがガンガン来るような状態じゃないっていうのが、難しいところですね。チームからすれば、この『KAMUI SUPPORT』でどれだけ集まるんだっていうのもあるじゃないですか? (今まで誰もやったことがない)未知の世界なわけだから。実際、まだF1のチームを回していけるような額ではないし、他のドライバーがどのくらい持ち込もうとしているのかといえば、普通にこの10倍、20倍っていう金額になってくるわけで。なかなか頭が痛いですよ」

――ファンの人たちからすれば、いくらあればロータスに乗れるんだってことは知りたいところですね。

「それはね、正直なところチームは絶対に言わないんですよ。例えば僕が冗談で(持参金が)『20億円』って言うても、向こうは『フフッ』って言うだけで。だからはっきりとした金額は言えないんですよ」

――そんな中で名乗りを挙げてくれたスポンサーもいますか?

「名前は出せませんけど、話はしています。もちろん『KAMUI SUPPORT』の支援金だけで(交渉に)行こうなんて思ってないし、精力的に活動してます。『よし、じゃあ一緒にチームと交渉しましょう』って言ってくれる企業が出てきてくれると、本当に力になります。(スポンサードすることによる)露出の量も、結構悪くないと思うんですけどね。

 でも、企業は(決定までに)時間がかかるというのもあるし、まずチームが決まらないと話も進められない。話の順番が難しいんです。『チームはどこですか?』って言われても『すいません、まだ決まってないです』。『どれくらい出せばどれくらい露出するんですか?』って言われても『すいません、それもチームとの交渉次第です』ってなるから。自分の中でメドをつけて話をしてはいるけど、なかなか進みづらいですよね。だからこそ、この『KAMUI SUPPORT』で集まった支援金はすごく大きいんです。チームに対して『これはいつでも動かせるお金です』って言えるわけですから」

――もし2013年にロータスかフォースインディアに乗れなかった場合は?

「2014年に向けて、どんな選択肢があるかっていうことですよね」