【MotoGP】スペイン人ライダーが表彰台独占。日本人選手は低迷から抜け出せるか? (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

日本人選手はワイルドカードで参戦した中須賀克行が9位に入賞した日本人選手はワイルドカードで参戦した中須賀克行が9位に入賞した
 最高峰クラスでの日本人チャンピオン誕生という長年の悲願は達成されないまま現在に至っているが、それでも過去に日本人選手たちは何度も表彰台を獲得し、優勝争いを繰り広げてきた。9年前の2003年には、6名がフル参戦している。2000年の日本GPでは、3クラス全9表彰台のうち8つを日本人が占めた。そんな時代もあったのだ。

 現在の姿とは隔世の感がある。

 2012年シーズンのMotoGPクラスにフル参戦する日本人選手は、上記のとおり一名もいないが、今回の日本GPでは、ヤマハの開発ライダーで全日本選手権を走る中須賀克行がワイルドカードでエントリーした。4列目11番グリッドスタートの中須賀は、24周回のレースでドゥカティファクトリーのニッキー・ヘイデンに執拗に食い下がり、最後は僅差の0.070秒差で9位チェッカーを受けた。

「開発ライダーという役目上、転倒できない難しい状況のなかで、ギリギリまで攻めた。最後にヘイデン選手を抜けなかったのは残念だけれども、世界最高峰の走りを間近で経験して非常に刺激になった」

 と中須賀。当初に目標として掲げたトップ6こそ実現できなかったものの、走りの内容は充分に健闘したといっていいだろう。とはいえ、そのワイルドカードの中須賀のもとに多くの日本人取材陣が集まる様子は、かえって寂しさも感じさせる。

 上位の結果は、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)が前戦に引き続き優勝。ランキング首位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)が2位。アルバロ・バウティスタ(サンカルロ・ホンダ・グレシーニ)が3位と、スペイン人選手が表彰台を独占する結果になった。

 ペドロサやロレンソの活躍でこの数年はスペイン全盛時代という印象も強いために意外な感もあるが、じつはスペイン人選手が最高峰クラスの表彰台を独占するのは、今回が初めてなのだとか。スペインにとっては記念すべき快挙だが、ペドロサは「国籍それ自体に意味があるとは思わない」と話した。

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