【F1】有言実行。
可夢偉とチームが失敗から学んでつかんだ日本GP表彰台

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 前戦シンガポールでは、「ここまでの苦労を考えると、表彰台では泣くかもしれない」と語っていた可夢偉だが、実際には堂々とした姿で表彰台に立ち、余裕さえ感じさせた。

 何度も何度も夢にまで見た表彰台だったが、立ってみれば意外にもこんな感想だった。

「まぁ......普通ですね(笑)」

 そう言って可夢偉は笑ったが、表彰台が可夢偉にとって、ただの通過点でしかないからだ。

「そうですね、これは(初表彰台という)"思い出"っていうくらいですね。まだ残り5戦ありますから、もうちょっと表彰台が獲れれば(チームランキングで)メルセデスAMGに追い付けるかなって思うし。あと20ポイントなんでね」

 この週末、可夢偉とチームは過去の数々の失敗から学び、最高の週末を作り上げた。そしてトップチームと対等に渡り合い、下して表彰台をつかみ取った。

 だがそれは可夢偉にとって通過点でしかない。可夢偉が目指すのは、もっともっと上だ。表彰台の上で、そのことを可夢偉はあらためて実感したに違いない。

4 / 4

関連記事

このページのトップに戻る