【MotoGP】天才ロッシの能力は錆びつかず。地元で今季最高の2位獲得 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「本当は勝利を捧げたかったんだけど、それではあまりに時間がかかってしまうからね(笑)。2位は最善の結果だと思う」

 一方、今回のレースで優勝を飾ったホルヘ・ロレンソは、ロッシに背後をつけられるという状況を久々に味わったことについて「でもまあ、前を走られるよりはずっとマシだよ」と語って笑いを取った。隣で聞いていたロッシもこの言葉には思わず笑みをうかべ、両選手はナイスジョーク、とばかりに握手を交わした。

 8月にヤマハ移籍を発表した際、ロッシは「自分がまだトップ争いをできるかどうかを、まず確かめたい」と語ったが、今回のリザルトは、自身の能力が錆びついていないことを確認できたという意味でも重要な一戦になったはずだ。その安堵があったからこそ、ロレンソのジョークにも声を上げて笑い、握手を交わすことができたのだろう。

 来シーズン、ふたりはふたたびチームメイトとなり、そしておそらくは互いにとって最大のライバルとなる。そのときも彼らは、この日のように屈託のない笑みを交わしあっているだろうか。

3 / 3

関連記事

このページのトップに戻る