【F1】可夢偉、またしても不発。2位表彰台のチームメイトとの違いはどこにあったのか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「やっている内容、スタートしたタイヤ、すべて考えると、別に悪いことをしたわけじゃないんですけど、チームメイトがあんなにいい仕事をしたおかげでどうしても僕が悪く見えるっていう、そういう結果ですね(苦笑)。

 いやぁ、チームとしてはすごくいい結果やし、彼(ペレス)がすごくいい仕事をしたんでこれは見事と言うしかないんですけど、ただ、なんか僕があんまりいい仕事をしてないような感じに思われてちょっと腹が立つし(苦笑)。人生ってこんなもんなんだなぁとつくづく痛感してます(苦笑)」

 中国、スペイン、イギリス、そして前戦ベルギー。好条件が揃ったレースで不運が続く可夢偉に対して、逆境の中から幸運をつかみ取るペレス。両者の対比が、改めて浮き彫りになったレースだった。

 だが可夢偉が言うように、ギャンブルが成功したのは間違いなくタイヤを長く保たせたペレスの腕があってこそのものだ。ただの幸運だけではない。

 一方で不運が続きすぎている可夢偉も、じたばた焦ってはいない。

「まぁ、"噛み合い"ですよね。でもこれは地道にやっていくしかないんで。シンガポールは僕らのクルマ的には多分不得意なんですけど、そこでしっかりポイントが獲れれば、次はやっと鈴鹿が来るんで、それに向けてしっかりと行けると思います」

 これでヨーロッパラウンドが終わり、2012年のF1は終盤戦へ。10週間で7戦を消化する怒濤の激戦へと突入する。

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