【F1】攻めの姿勢を崩さない小林可夢偉。「守りに入る理由はない」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「渋くないですよ。『ダメだこりゃ』って感じです」(Rd.11 ハンガリーGP/予選15位)

 タイヤが温まらずまったくといっていいほどグリップせずに大苦戦したハンガリーGP。今季一番というハマり具合は、過去3年間のF1キャリアを通しても「3年間の中でもかなり悪い方かも」。ダウンフォース(空力)をつけて押さえ込みたくても、「直線があまりにも遅いので」それはできない。可夢偉いわく「どっから手を付けようか状態」だが、ネガティブにならないのが可夢偉らしい。


「レースやからそんな時もある」(Rd.11 ハンガリー/決勝18位)

 ポイント獲得の望みもほとんど持てない絶望的なレースで、「今日はとりあえず完走して、っていうレースだったんで、そんなに楽しいレースでもなかったし、興味のあるレースでもなかったけど、とりあえず最後まで走り切ろうと思って」戦った可夢偉。最後はギアボックスが壊れ最終ラップにリタイアする泣きっ面に蜂な状況だったが、「よくわかんない一週間でしたね。でも次のスパ・フランコルシャンはマシン的にも良いと思うんで、ベルギーGPから気持ちを切り替えて頑張りたいと思います」と、早くも気持ちを切り替えていた。

 終わったことを悔やんでも変えられないのだから無駄。それよりも大切なのは、次の結果。そんなプロフェッショナルとしての考えかたを可夢偉はF1で学んだのだ。

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