【F1】攻めの姿勢を崩さない小林可夢偉。「守りに入る理由はない」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「250万円はちょっとビックリしました」(Rd.10 ドイツGP/開幕前)

 イギリスGP決勝中にピットレーンでミスしてクルーと接触し、2万5000ユーロ(約250万円)の罰金を科された可夢偉。
「え、2500ユーロの間違いちゃうん!? って。あんまり他の人に迷惑もかけてないのに、なんでなんやろ(笑)。もちろん払うのは僕ですよ」

 あのミスはコンクリートのピットレーンが埃っぽく滑りやすかったことと、ホイールのトラブルで外れにくいという問題が続いていたことからの焦りという要因があったのだが、「行き過ぎただけですよ、それ以外に言いようがない」と可夢偉はすぐに切り替えていた。


「守りに入る理由はない」(Rd.10 ドイツGP/予選13位)

 イギリスでのミスは「僕のミス」と反省しながらも、攻めの姿勢を捨てるつもりはないという可夢偉。「してはいけないミスやけど、しなきゃいいだけですから。レースなんて、どこまでいけばいいか分からない世界ですからね」

 今年はマシン性能が高く上位争いできるレースが増えているため、「単純に1、2ポイントを獲りに行くんやったらリスクを冒す必要はないけど、もっと、たとえば5番とかを戦いにいくっていうときには守りに入る理由はないんじゃないかっていうのが自分の考えやから」と攻めの姿勢を忘れていない。


「僕らはよくやってると思う」(Rd.10 ドイツGP/決勝4位)

 13番グリッドというギャンブルも許される位置からのスタートに、可夢偉は初めて「自分で好きなように戦略を選ばせて欲しい」と頼み、それが認められた。結果、チーム一丸となった戦略は見事に成功し、自己最高位の4位。
「クルマもペースも、自分たちにやれることはやって、それはできてると思うし、僕らのチーム規模を考えればよくやってると思います」

 これまで、チームとしてのミスで何度も表彰台のチャンスを失ってきたが、「もちろん良い悪いはあるし、他のチームに比べれば経験不足なところもあるけど、それもひとつひとつの積み重ねですからね」と成長を実感。
「これからまだシーズン半分ありますから、これからどう巻き返せるか楽しみですね」と、まだまだあきらめない気持ちを語った。

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