【MotoGP】一触即発。
緊迫度を増すポイントリーダー争いの行方は?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 バウティスタに対する処分に関してロッシは、「次戦の最後尾スタートは妥当だと思う」とも話した。「ホルヘが甘すぎると怒るのも理解できる。点数を大きく落として、チャンピオンシップのリードもなくなってしまったのだから。(怒りは)フラストレーションが原因だと思うよ」

 さて、波乱の第7戦を終えてロレンソとストーナーの争いは振り出しに戻った。ここから先のレースは両選手とも失敗が許されず、緊迫感はさらに増してゆくが、一方でそれぞれに不安を抱えながらの戦いにもなる。

 ストーナーには、リアのチャタリングとブリヂストンの新フロントタイヤに対する相性の悪さ、という問題がある。第7戦の優勝後も「このふたつは、まだ全然解決できていない」と話した。そして、ロレンソは、上記で説明したエンジン数の不安だ。他選手よりも1基少ない状態で戦う不利は、シーズン後半になるほどボディブローのように効いてくるだろう。そして、彼らの背後にはペドロサが19点差でピタリと張り付いている。

 今週末は、そのペドロサが昨年と一昨年に優勝を飾っているドイツ・ザクセンリンクサーキットで第8戦が行なわれる。

 まさに、事態は一触即発である。

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