【F1】可夢偉語録・前半戦。「あれで怒られたら、僕が怒りますよ」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「さすがに今回は雨頼み」(Rd.2 マレーシアGP/予選17位)

 普段は運勝負ではなく実力勝負のドライを好み、レースでの降雨は願わない可夢偉だが、このときばかりは弱気。予選に向けて施したマシンセットアップが大ハズレで、思うように走れず。「あとは雨が降ってくれることを願うしかないですね。さすがに今回は雨の方が楽でしょ」。決勝はその願い通り雨になったが、可夢偉はマシントラブル、チームメイトは戦略が当たって表彰台獲得という皮肉な結果になってしまった。

「彼らはごめんなさいで済むけど、僕は人生ですからね......」(Rd.2 マレーシアGP決勝後/リタイア)

 チームの戦略失敗とマシントラブルで、チームメイトとは正反対の結果に終わった可夢偉は、チームに対する不満を抱えつつこう語った。それでも、「とは言っても、チームを信じるしかないし、ひとりで勝手に動いてもチームワークを乱すだけやから」とじっと我慢。チームメイトであるペレスの2位表彰台獲得については「先にやられたっていうか、巡り合わせやからね......。僕は悲惨すぎたし(苦笑)」。


「4位っていうのは想像以上」(Rd.3 中国GP予選/4位)

 上海ではマシンの仕上がりが良く、予選で4番手タイムを記録。「今日は本当にクルマが決まっていたので、余裕で一発のアタックを決められました。クルマの性能をフルに引き出せたというのが最大のポイントで、その結果がこの順位だったと思います」という可夢偉は、初めて表彰台を現実的な目標として意識して「チャンスは大きいし、できれば表彰台を狙いたい」と語った。

「まぁ、若いなって思いました(笑)」(Rd.3 中国GP決勝/10位入賞)

 レース終盤にチームメイトとのバトルとなり、強烈な幅寄せを喰らった可夢偉。しかし余裕でこれをかわして「どこに行くんやっていうくらい、急に右折してきたんで(苦笑)」と先輩としての余裕を見せた。

「(バーレーンGPは)あって良かったかな」(Rd.4 バーレーンGP開幕前)

 政情不安によりレース前週まで開催がはっきりしなかったバーレーンGPだが、結局予定通り開催されることに。周囲の雑音は「まったく気にしていない」という可夢偉は「もしこのレースがなくなっていたら休みが長くなってたけど、休みを取るかレースを取るかっていわれたら、今の成績ではレースを取った方がいいから、あって良かった」と本音を披露した。可夢偉曰く、開幕3戦の結果は「速いけどポイント獲れてません状態(笑)」とのことだった。

「1秒、2秒の間にガガガッって、そんなん無理やわ(苦笑)」(Rd.4 バーレーンGP予選/12位:決勝/13位)

 あまりにマシンバランスが悪かったというこのときは、コーナーごとにステアリングホイール上のノブ2つを操作してギアを調節し、無理矢理にマシン挙動を改善させて走っていたという可夢偉。

「走りながらステアリングにあるノブを操作するんです。次のコーナーまでに2つをカチカチっと操作して。ホントに大変ですよ!」と言いながらも、普通はあり得ないというこの走法で問題を解決させたことに満足げだった。常識にとらわれない可夢偉らしさの好例だ。

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