【MotoGP】歴史的和解。ロレンソとペドロサの関係改善がパドック全体に与える影響とは? (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 少し前までの水と油の関係だったロレンソとペドロサなら、彼らが同じチームに所属することなど到底あり得なかった。だが、今は違う。2013年シーズンには、フルスペインパッケージの<ドリームチーム>が構成されることも、可能性という意味では決してあり得ない話ではない。

 この可能性について、自身の去就も注目を集めるバレンティーノ・ロッシは
「とりわけケーシーの引退が発表されたあとでは、ホルヘ(・ロレンソ)のレプソル移籍は決して不可能な事ではないだろうけど、まだそういうことを語るのは時期尚早だろうね。でも、ふたりが一緒のチームになるのは、ちょっと見てみたいよ」
 そう言って微笑んだ。

 両者の強烈な敵対関係が健全なライバル意識へ昇華されたことは、パドックの雰囲気や競技の興趣にもいい影響を与えているようだ。来季の移籍情報もさることながら、これからシーズン中盤に向けていっそう激しくなるチャンピオン争いも、相乗効果でさらに盛り上がってゆくことだろう。

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